戻る


〜・〜山田ちさと展〜・〜


2004年2月6・7・8・13・14・15日
オープニングパーティー5日(木)

音楽:琵琶


『私が描いたにもかかわらず、私には描けなかった絵がそこに現出するのです。』と言う山田さんの作品は、薄く透けるナイロン素材の裏側からフォルムを描き、表に返して残された部分を描くという方法です。
 日本画を学んだこともあるのでしょうか、物体のフォルムがまず描かれ、余白の部分が反対側からメディウムを加えたアクリル絵の具で塗りつぶされるのですが、山田さんはそこに、自分の中の無意識を見たかったのではないかと思われます。
 毎回、感じるのですが、平面の作家も、立体の作家も、様々な手法を駆使して、心の中から出てくる何者かを確かめるために創作活動があり、創作行為はより核心にせまるための苦行のようにも、夢中に興じる遊びのようにも感じます。


♪<山田ちさと展>オープニングコンサート
  作曲家で演奏者でもある、塩高和之さんの琵琶でした。作曲を石井紘美氏に、琵琶を田中之雄氏に師事。自らの作品だけでなく伝統的な古典曲にも積極的に取り組み、分野を越えて作曲、演奏活動を展開し、新進作曲家の新作初演などにも取り組んでいる塩高さんは、ソロ活動の他、阿部慶子(横笛)翠川敬基(チェロ)小山彰太(ドラムス)河村悟(詩人)カーティス・パターソン(筝)吉田一夫(フルート)グンナル・リンデル(尺八)寶山佐衛門(横笛)福原百華(横笛)らと、共演しています。
 この日は、平家物語より、祇園精舎と壇ノ浦を、ご自分の曲で道元禅師を語っていただきました。迫力ありましたよ〜。安徳天皇を抱いて入水する二位の尼のくだりでは、思わず息を飲んでしまう迫り方でした。